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北海道で、日本に初めてスキーを伝えたオーストリア人。レルヒ中佐

北海道は雪国として知られている土地柄であり、国内外から多くの観光客が訪れる人気のある観光先の1つです。街中から郊外へ車を走らせると、視界が開けてきて遠くまで見渡せる景色のよい地理環境があります。人口は500万人以上で全都道府県で8位の多さですが、人口密度は最も低く、住宅地では土地が比較的広く使われる傾向があります。北海道は歴史が浅いと言われますが、道内の「後志」という地名が日本書紀の中にも登場しているように、古くからその地域は認知されていて人々が様々な活動をしていました。この為、調べていくと創建年代の古い神社やお寺も意外とあるものであり、地域毎に伝わる話には一般にはあまり知られていない北海道の歴史について、興味深い物が沢山あります。現在まで様々出来事が起こり歴史として積み重ねられてきましたが、その中でもユニークな歴史の1つは、日本に初めて本格的なスキー技術を伝えたレルヒ中佐のゆかりの地であるという事です。

明治時代は日本へ外国文化が多く伝わった時期の1つです。現在、ウィンタースポーツとして楽しまれるスキーの技術が本格的に伝わったのも、この明治時代になります。日本国内で彼を呼称する場合は「レルヒ少佐」とする事が多いものですが、北海道では「レルヒ中佐」の名で親しまれています。レルヒ中佐はアルペンスキーの創始者であるマティアス・ツダルスキーに師事した優れたスキーヤーであり、その技術の特徴は1本のストックのみを使うスタイルにありました。北海道とのゆかりは、旭川に存在した日本陸軍の第7師団にスキー訓練を行った事です。この時、訓練を受講した軍人の数名がレルヒ直伝の講習会を開いた事から始まり、レルヒ中佐のスキー技術が北海道で受け継がれていく事になったのです。1923年に開催された全日本第一回スキー選手権大会でノルウェー式の2本ストックスタイルが圧勝した為、現在はそちらが主流ですが、札幌を見下ろす藻岩山では現在も市民団体によりレルヒ中佐スタイルの技術が伝承されています。また、藻岩山の頂上近くにある藻岩山神社ではレルヒ中佐が祭神の1柱となっていて、現在も登山客等にレルヒ中佐の名で親しまれているものです。